PAINT MIST CLEANER GUIDE
どのクリーナーでも、車の塗装ミストを安全に落とせるわけではありません。
車についた塗装ミストを見つけると、市販の塗装ミストクリーナー、 シリコンオフ、パーツクリーナー、シンナーなどで落とせないかと考える方もいます。
しかし、塗装ミストは、塗料の種類、付着量、硬化状態、 ボディ・ガラス・樹脂・ゴムなど付着した素材によって反応が異なります。 同じ薬剤でも、車の場所や塗装状態によって結果が変わる可能性があります。
また、塗装ミストが取れたとしても、艶の変化、塗装の軟化、 樹脂の白化、ゴムやモールの変色、コーティングの撥水低下が起きれば、 車をきれいに仕上げられたとはいえません。
結論として、塗装ミストクリーナーは商品名や溶剤の強さだけで選ばず、 付着した塗料と車の素材を確認し、異常が出た場合はすぐに使用を中止することが大切です。
車全体、気になる部分、使用した商品の写真をお送りください。使用前でも使用後でも相談できます。
塗装ミストクリーナーとは
塗装ミストクリーナーとは、車などに付着した細かな塗料を除去する目的で販売されている薬剤の総称です。すべての商品が同じ成分や強さではありません。
塗装ミスト除去用クリーナーには、付着した塗料へ反応させるもの、 油分や汚れを除去するもの、物理的な除去を補助するものなどがあります。 商品名に「塗装ミスト」「ペイントミスト」「オーバースプレー」と書かれていても、 使用できる素材や塗装状態は商品ごとに異なります。
ボディへ使用できる製品でも、未塗装樹脂、ゴム、モール、ライト、 再塗装部分、ラッピングフィルム、プロテクションフィルムへ使用できるとは限りません。 使用対象と注意事項を確認せず、車全体へ一度に使うことは避けてください。
「専用品」と表示されていることは、どの車にも無条件で安全という意味ではありません。 対応素材、塗装状態、コーティングの有無まで確認する必要があります。
専用クリーナーで落ちるケース・落ちにくいケース
専用クリーナーで変化するかは、塗料の種類、硬化状態、付着量、経過期間、付着した素材によって異なります。
付着量が少なく、付着からの期間が短く、製品が対象とする塗料・素材に合っている場合は、 専用クリーナーで変化する可能性があります。
広範囲に付着している、乾燥・硬化している、複数の汚れが重なっている、 素材へ強く固着している場合は、クリーナーだけで改善しないことがあります。
クリーナーだけで判断できない理由
車のザラつきには、塗装ミストだけでなく、鉄粉、水垢、樹液、 セメント・モルタル、花粉、黄砂などが混在していることがあります。 一部だけ変化した場合も、車全体の付着物が同じものとは限りません。 まず付着物を見分けたい方は、 塗装ミストとは何か、鉄粉との違いと見分け方 を確認してください。
ボディ全体へ使う前に確認すべきこと
- 本当に塗装ミストが付着しているか
- 塗料の色、粒の大きさ、付着量
- ボディ以外のガラスや樹脂にも付いているか
- 再塗装部分や補修歴がないか
- コーティング、ワックス、簡易被膜が施工されているか
- 工事被害として施工前写真を残す必要がないか
近隣工事による飛散が疑われ、まだ薬剤を使っていない場合は、 塗装ミストを発見した直後にするべき対処法 を先に確認してください。 工事会社や保険会社への相談が必要な場合は、 外壁塗装のミストが車についた場合のクレーム・保険対応 も参考になります。
車についた塗装ミストの除去方法と、専門店へ相談する判断基準を見るシリコンオフで塗装ミストは落ちるのか
シリコンオフは本来、塗装補修や接着前に油分を除去する脱脂剤です。塗装ミスト除去専用として設計された製品とは限りません。
シリコンオフ本来の用途
シリコンオフは、補修塗装、ステッカー、両面テープなどの作業前に、 表面の油分や汚れを除去して密着を助けるために使用される脱脂剤です。
塗装ミストの種類によっては何らかの変化が見える場合がありますが、 シリコンオフの本来の役割は、車全体へ付着した塗装ミストを安全に除去することではありません。 「少し落ちた」ことだけを理由に、広範囲へ繰り返し使用するのは避けてください。
コーティングや塗装面への影響
シリコンオフは脱脂を目的とするため、ワックス、簡易コーティング、 油分を含む保護成分、撥水状態へ影響する可能性があります。 製品や施工された被膜によっては、艶や水弾きが変化する場合があります。
新車塗装、経年塗装、再塗装部分、補修部分では、溶剤への反応が同じとは限りません。 塗装面へ色移り、軟化、艶の変化が見られた場合は、その時点で使用を中止してください。
「塗装面に使える脱脂剤」と「塗装ミストを安全に除去できる薬剤」は同じ意味ではありません。
シンナーを車へ使用してはいけない理由
シンナーは塗料の希釈や器具洗浄などに使われる溶剤の総称で、種類によって溶解力が異なります。車の表面へ自己判断で使用しないでください。
艶の変化、表面の軟化、色移り、拭き跡などが起こる可能性があります。
補修塗装の種類や硬化状態が純正塗装と異なり、強く反応する可能性があります。
白化、変色、艶の変化、表面の荒れが生じる場合があります。
変色、膨潤、硬化、ベタつきなど質感が変化する可能性があります。
黒色部分が白っぽくなる、表面がまだらになるなど外観が変わる場合があります。
撥水、防汚性、艶が変化し、部分補修や再施工が必要になる可能性があります。
「シンナー」と呼ばれる製品には複数の種類があり、 ラッカー系、ウレタン系、塗料用などで成分や溶解力が異なります。 名称だけでは、車のどの素材へどの程度反応するかを判断できません。
塗装ミストを早く溶かせる強い溶剤ほど安全ということではありません。 付着した塗料と一緒に、車側の塗装や部品へ影響する可能性があります。
溶剤の強さだけで選んではいけない
塗装ミスト除去では、落とす力だけでなく、車の塗装、樹脂、ゴム、コーティングを変化させないことまで含めて判断します。
落ちにくい付着物へ強い溶剤を使えば、変化が早く見えることがあります。 しかし、作用が強いほど、車側の素材や保護被膜へ与える影響も確認しなければなりません。
薬剤選びで確認する項目
- 付着しているものが本当に塗料か
- 塗料の種類と硬化状態
- 純正塗装か再塗装か
- ボディ、ガラス、樹脂、ゴムなど使用する場所
- コーティングやワックスの施工歴
- 小さな範囲で異常が出ていないか
- 除去後に補修や再施工が必要にならないか
すでに市販薬剤を使用している場合は、商品名、使用した場所、作業した範囲、 使用後に艶・色・手触り・撥水が変化したかを確認します。 同じ薬剤を追加で使う前に、現在の状態を整理することが大切です。
使用を中止すべき変化
艶、色、手触り、樹脂やゴムの質感に変化が出た場合は、塗装ミストが残っていても薬剤の使用を中止してください。
使用部分だけ艶が強くなる、曇る、拭き跡が残る場合。
塗装、樹脂、モールの表面が白化またはまだらに見える場合。
クロスに車側の色が付く、塗装表面が薄く見える場合。
ゴム、樹脂、塗装面の手触りが柔らかくなり、粘着感が出た場合。
未塗装樹脂やライト周辺の色、艶、質感が変化した場合。
使用部分だけ水弾きが弱くなる、まだらになる場合。
異常が出た場所を追加でこすったり、別の溶剤を重ねたりすると、 状態がさらに分かりにくくなる可能性があります。
クリーナーで落ちなかった場合の対処
クリーナーで落ちなかった場合は、薬剤を強くする前に、付着物、素材、範囲、使用後の変化を確認し直してください。
-
追加作業を止める
同じ薬剤を繰り返したり、シンナーなど別の溶剤へ切り替えたりしないでください。 -
車全体と使用部分を撮影する
塗装ミストの付着範囲、薬剤を使った場所、艶や色の変化を写真で残します。 -
使用した商品を記録する
商品名、使用した場所、作業した日時、使用後の変化を整理します。 -
ボディ以外も確認する
ガラス、樹脂、ゴム、モール、ライト、ホイールへ付着していないか確認します。 -
専門店へ状態を相談する
研磨や別の薬剤が必要かを自己判断せず、車両全体を確認してから決めます。
まとめ|塗装ミストクリーナーは、落とす力だけで選ばない
塗装ミストクリーナーは、付着した塗料と車の素材に合う場合に検討し、艶・色・質感へ変化が出たら使用を中止してください。
- 塗装ミストクリーナーは、商品ごとに成分、強さ、対応素材が異なる
- 専用クリーナーでも、すべての車や塗装状態へ無条件で使えるわけではない
- シリコンオフの本来の用途は、補修塗装や接着前の脱脂
- シンナーは種類によって溶解力が異なり、塗装や部品へ影響する可能性がある
- 強い溶剤ほど車へ安全ということではない
- 艶、色、ベタつき、樹脂の変色が出た場合は使用を中止する
- 落ちなかった場合は、薬剤を強くする前に状態を確認し直す
- 工事被害が疑われる場合は、除去前の写真と使用薬剤を記録する
GLS福岡では、塗装ミストか分からない段階や、 すでに市販のクリーナーを使用した後でも、 車両全体、使用した場所、素材、コーティングの状態を確認しながらご案内します。
車全体、気になる部分、使用した商品の写真をお送りください。
塗装ミストクリーナーについてよくある質問
市販品、除光液、パーツクリーナーは用途や成分が異なります。車へ使えるかは商品名だけで判断しないでください。
市販のクリーナーで塗装ミストを落とせますか?
付着した塗料、硬化状態、素材と製品が合っていれば変化する可能性があります。 ただし、落ちるかどうかだけでなく、塗装、樹脂、コーティングへ影響が出ないかを確認する必要があります。
除光液は使えますか?
使用しないでください。 除光液は自動車の塗装ミスト除去用に設計された製品ではなく、 含まれる溶剤によって塗装、樹脂、ゴム、コーティングへ影響する可能性があります。
パーツクリーナーは使えますか?
自動車ボディの塗装ミスト除去用として自己判断で使用しないでください。 パーツクリーナーは主に部品の油分や汚れを洗浄する製品で、 対応する素材や成分は商品ごとに異なります。 プラスチック対応と表示された製品でも、塗装面やコーティングへの適合を意味するとは限りません。
コーティング車に使えますか?
コーティングの種類とクリーナーの成分によっては、 撥水、艶、防汚性へ影響する可能性があります。 施工店や製品メーカーへ適合を確認し、除去後に補修や再施工が必要かも含めて判断してください。

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